
「Macで特定の場所を自動クリックしたい…」そんなニーズ、意外と多いんです。
ブラウザ上の決まった位置、アプリのボタン、ルーティン作業。
座標指定でクリックできれば、面倒な操作を一気に自動化できます。
本記事では、Macで使える代表的な方法である「cliclick」「AppleScript」「Automator」を使って、
座標を指定して自動クリックする手順とコツを初心者向けに丁寧に解説します。
- 座標の取得方法(⌘+Shift+4、cliclickのpコマンドなど)
- cliclickによるクリックスクリプトの実践例
- AppleScriptやAutomatorとの違いと選び方
まで、Macユーザーの“自動化入門”にぴったりな内容です。
マウス操作の自動化で、日々のPC作業をスマートにしてみませんか?
Macで自動クリックを座標指定するメリットとは?

Macで自動クリックを「座標指定」で行うと、作業効率が大きく向上します。
通常のGUI操作では難しい精密な位置クリックや、複数ステップの自動化が簡単に実現できるのがポイントです。
・正確な位置へのクリックが可能
・複数ポイントを一括でクリックできる
・クリックの順番や間隔も自由に調整可能
マウス操作の反復から解放され、作業の流れそのものがスムーズになります。
GUIではできない精密制御が可能に
一般的なマウス連打ソフトでは、「画面の真ん中」「現在の位置」といった曖昧な動作しか指定できません。しかし、座標指定ならピクセル単位で正確な場所をクリックできます。
- 「このボタンの中心をクリック」
- 「特定アプリのX,Yの位置を複数操作」
- 「同じ操作を日々繰り返したい」
こうした要望に対して、GUIだけでは対応しきれません。
座標指定なら、「どこを、何秒後に、どれくらいの頻度で」も自由に制御できます。
作業の効率化・自動化レベルが一段階アップ
例えば次のような使い方が可能になります。
- 毎日決まった時間に、指定アプリを開いてクリック操作
- デザイン確認のため、ボタン位置を自動クリックしてUIをチェック
- ゲームやルーティン操作を高速化するために位置指定で連続クリック
人間がやる必要のない単純作業を、Macに任せることが可能になるのです。
そしてこの制御は、標準ツール(Automator)やフリーソフト(cliclick)でも実現できます。
次は、その座標をどうやって取得するのか、具体的な方法を紹介します。
座標を取得する3つの方法【画像付きで解説】

自動クリックを座標指定で行うには、まず「正確な位置」を知る必要があります。
Macではいくつかの方法で、画面上のXY座標を取得できます。
ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
・⌘+Shift+4でマウス位置を確認
・cliclickコマンドでリアルタイム取得
・スクリーンショットや開発ツールで分析
初心者でもすぐ試せる方法ばかりなので、順に見ていきましょう。
方法①:⌘+Shift+4で手軽に画面座標を確認
Mac標準のスクリーンショット機能を使えば、マウスカーソルの座標を一瞬で確認できます。
手順は以下の通りです。
- キーボードで
⌘+Shift+4
を押す - カーソルが十字に変わる
- カーソルを動かすと、左下にXY座標が表示される
- 確認したい位置にカーソルを合わせ、値をメモする
この方法は、一時的に確認したい座標をすぐ調べたいときに便利です。
ただし、クリック対象が移動したり動的に生成される要素には不向きです。
方法②:cliclickの「p」コマンドで現在位置を取得
もっと正確に、スクリプトと連携できる形で取得したい場合は、cliclickのpコマンドを使いましょう。
以下の手順で使えます。
- Homebrewで
cliclick
をインストール(後述) - ターミナルで次のコマンドを入力
“`bash
cliclick p
数秒後、現在のマウス位置の座標がターミナルに表示される
Clicked at: 825,430
この方法は、スクリプトのクリック先を正確に調整したいときに最適です。
「実際のクリック前に確認しておきたい」という場面でとても役立ちます。
方法③:開発者ツールやスクリーンショットから座標を割り出す
Webページやアプリ画面のレイアウトから座標を推測する場合は、スクリーンショットやブラウザの開発者ツールも使えます。
- スクリーンショットにグリッドを重ねてXY位置を割り出す
- ChromeやSafariの「要素を検証」で、対象エリアの位置情報を確認
- Photoshopやプレビューアプリでピクセル座標を読むことも可能
特に、Webアプリやゲームの操作でUI位置を知りたいときに有効です。
ただし、画面解像度の違いでズレる可能性もあるため、あくまで補助的に使いましょう。
座標を取得できたら、次はいよいよcliclickやAppleScriptで自動クリックを実装していきます。
まずは、人気の「cliclick」の基本と応用を詳しく紹介します。
cliclickを使った座標クリックの基本と応用

Macで座標指定の自動クリックを行うなら、無料かつ軽量なコマンドツール「cliclick」が最有力です。
使い方はシンプルですが、工夫次第で複数クリックや遅延付き処理も可能です。
ここでは、初心者向けに導入から基本コマンド、応用例まで解説します。
cliclickのインストール手順(Homebrew使用)
cliclickはHomebrewを使えば、簡単にインストールできます。
まだHomebrewを導入していない方は、以下コマンドで先に導入しましょう。
“`bash
/bin/bash -c “$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)”
Homebrewが入ったら、cliclickのインストールは次の一行で完了です。
brew install cliclick
インストール後、ターミナルでcliclickと入力し、使える状態か確認しましょう。
基本構文:cliclick c:x,y の使い方
cliclickの基本的な使い方はとても簡単です。
cliclick c:500,300
この例では、画面上のX=500、Y=300の位置を1回クリックします。
- c は「click」の略
- 座標はカンマ区切りで指定
- デフォルトでは左クリックが実行されます
他にも以下のような操作が可能です。
- 右クリック:rc:x,y
- ダブルクリック:dc:x,y
- マウス移動のみ:m:x,y
手動で何度も同じ場所をクリックしていた作業が、これだけで完全自動化されます。
複数座標・遅延クリックの実例スクリプト
cliclickは、複数のクリック処理や待機を含む処理も記述可能です。
cliclick \
c:400,200 \
w:1000 \
c:450,250 \
w:500 \
c:500,300
このスクリプトの動きは以下の通りです。
- X=400,Y=200 をクリック
- 1000ms(1秒)待つ
- X=450,Y=250 をクリック
- 500ms(0.5秒)待つ
- X=500,Y=300 をクリック
このように、「クリック→待機→クリック…」の処理を自由に組み合わせ可能です。
自動化したい手順が決まっている場合は、メモ帳にまとめて実行することもできます。
次は、Mac標準のAppleScriptやAutomatorを使って、同様の自動クリック処理を実現する方法を紹介します。
AppleScriptとAutomatorで座標クリックを実現する方法

Mac標準のAppleScriptとAutomatorを活用すれば、追加ソフトなしでもクリック自動化が可能です。
ここでは、簡単な座標クリックをAppleScriptで実行する方法と、Automatorとの連携による手順を紹介します。
AppleScriptでマウス移動&クリックするコード例
macOSでは、AppleScriptから直接マウスクリックする機能は提供されていません。
ですが、シェルスクリプトを組み合わせてcliclickを実行することで、AppleScriptから座標クリックが可能になります。
“`applescript
do shell script “/usr/local/bin/cliclick c:500,300”
このコードを「スクリプトエディタ」で実行すれば、指定した座標(X=500, Y=300)をクリックします。
複数回のクリックや、間隔を指定する場合も、cliclickのスクリプト構文をそのまま使えます。
do shell script “/usr/local/bin/cliclick c:500,300 w:500 c:600,350”
このように、AppleScriptはcliclickの実行エンジンとして利用すると便利です。
AutomatorでGUI操作を登録→実行までの流れ
もっとビジュアルで操作したい方には、Automatorとの連携が有効です。
手順は以下のとおり。
- 「Automator」を起動し、「アプリケーション」を新規作成
- 左メニューの「ユーティリティ」から「AppleScriptを実行」を選択
- 以下のコードをペースト
do shell script “/usr/local/bin/cliclick c:500,300”
- 「ファイル → 保存」で、好きな場所に保存(アプリ形式)
このファイルをダブルクリックすれば、座標クリックを即時実行できる専用アプリになります。
Dockやショートカットに登録すれば、作業の自動化がより身近になります。
標準ツールの限界と注意点
AppleScriptやAutomatorは便利ですが、次のような制約があります。
- マウスのボタン制御が限定的(右クリックなどは不可)
- 動的な要素検出には向かない(DOM変化に対応できない)
- cliclickのインストールが前提になる(AppleScript単体では実現不可)
ただし、これらを理解して使えば、インストール不要の軽量な自動クリック環境として活用できます。
次は、cliclickとAppleScript/Automatorの違いと使い分け方を比較していきます。
cliclick vs AppleScript/Automator:どれを選ぶべきか?

Macで座標クリックを自動化する場合、選択肢としてcliclickとAppleScript/Automatorがあります。
それぞれの特性を理解し、自分の目的に最適な方法を選びましょう。
実行速度・精度・設定自由度を比較
項目 | cliclick | AppleScript / Automator |
---|---|---|
実行速度 | 速い(即時クリック可能) | やや遅い(スクリプト実行が必要) |
設定自由度 | 高い(遅延・連続・ループ可) | 中程度(cliclick依存) |
実装の柔軟性 | 非常に高い(CLI操作対応) | GUIから操作可能で視覚的に理解しやすい |
導入の簡単さ | Homebrewが必要 | macOS標準アプリで完結 |
スクリプトの管理 | シンプルなテキストで管理可 | GUI内の設定保存が必要 |
学習コスト | やや高い(CLI操作に慣れ要) | 低い(初心者でも取っつきやすい) |
cliclickは一度使いこなせば非常に強力ですが、最初は敷居が高く感じられるかもしれません。
逆にAutomatorは直感的で、Macユーザー初心者にも安心な選択肢です。
おすすめは?目的別の選び方ガイド
目的によって、使うべきツールが変わります。
以下のガイドを参考にしてください。
「とにかく早く、連打や連続クリックをしたい」
→ cliclick 一択です
→ スクリプト実行の高速性と自由度で圧倒的な差があります
「初めてで不安。GUIで操作したい」
→ Automator + AppleScript
→ 自動化初心者でも安心して始められます
「タスクに応じて細かく組みたい」
→ cliclick + スクリプトエディタやシェルスクリプトの併用
→ 記述力があれば、完全に自分仕様にカスタマイズ可能です
「1回の自動操作で十分。定型操作だけでいい」
→ Automatorアプリとして保存すればOK
→ ダブルクリックだけで実行可能な手軽さが魅力です
どちらも使いこなせば便利なツールです。
最終的には「何を自動化したいか」で判断し、必要に応じて両方を組み合わせるのもアリです。
次は、実際に自動クリックをうまく動かすための注意点と対処法を紹介します。
自動クリックを成功させるための実践Tips

Macで座標指定の自動クリックをうまく機能させるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
ここでは、実践的な注意点とよくあるトラブルの対処法を紹介します。
macOSのセキュリティ設定と許可を忘れずに
Macでは、外部ツールがマウス操作やキーボードを制御するには「アクセシビリティ権限」が必要です。
これを設定しないと、cliclickやAutomatorは意図した動作ができません。
権限の設定手順
- 「システム設定(またはシステム環境設定)」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「アクセシビリティ」へ進む
- cliclickやAutomator、スクリプト実行アプリを追加し、チェックをオンにする
フルディスクアクセスや入力監視の許可も必要になる場合があります。
これらを適切に設定することで、自動クリックの失敗を未然に防げます。
クリックが反応しない・ずれる時の対処法
思った場所がクリックされない、クリックが無効になるといった問題はよくあります。
その原因と対策は以下のとおりです。
原因と対処ポイント
- 画面解像度が変わった/外部モニター使用
→ 実行時と座標取得時の解像度を一致させる - 対象ウィンドウが非アクティブ状態
→ cliclickでa:アプリ名
を使って、アプリを最前面にしてからクリック - ウィンドウ位置が毎回違う
→ ウィンドウの固定化や相対座標の利用を検討 - クリック対象が非表示(DOMが未ロード)
→delay
やwait
を使って、数秒待機してからクリックさせる
クリック成功率を高める小技
- cliclickで
w:500
(500ミリ秒待機)を挟むことで処理の安定化 - cliclickの
p
コマンドで都度座標チェックしてから本番スクリプトへ反映 - スクリプト実行後に確認用の音やログ出力を入れるとトラブルに気づきやすい
マウス操作を自動化するには、「事前の準備」と「動作検証」が成功の鍵です。
一度設定が決まれば、あとは繰り返し使うだけ。
面倒な作業をMacに任せて、作業効率をグッと引き上げていきましょう!
よくある質問とその答え【Mac自動クリック座標版】
Macで座標指定の自動クリックを設定する際、初心者の方からよく寄せられる質問をまとめました。
クリックがうまくいかない時のヒントや、導入前の不安を解消するためにぜひチェックしてみてください。
Q1:cliclickがうまく動作しません。何を確認すべき?
まずは、アクセシビリティ設定の許可が行われているか確認してください。
- 「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」へ
- 「アクセシビリティ」を開き、
Terminal
やcliclick実行アプリを追加 - チェックがオンになっているか確認
この許可がないと、マウス操作やクリックイベントをMacがブロックするため、何も動作しません。
Q2:座標はどうやって正確に測ればいい?
座標は以下の方法で正確に測定できます。
⌘+Shift+4
でマウスカーソル位置の座標を目視確認cliclick p
コマンドでリアルタイムに数値取得- スクリーンショット+画像編集ソフトでXY位置をチェック
一番おすすめは、cliclickのpコマンドでターミナルに直接表示させる方法です。
Q3:複数の場所を自動で順番にクリックできますか?
はい、cliclickでは複数クリックの連続実行や、クリック間の待機処理が可能です。
例えば以下のように記述できます:
“`bash
cliclick c:100,200 w:500 c:150,250 w:1000 c:200,300
この例では、3か所を順番にクリックしながら、それぞれの間に待機時間を入れています。
Q4:Macを再起動したあとでも自動クリックは動きますか?
通常は再起動後、スクリプトの再実行が必要です。
もし起動時に自動実行させたい場合は、以下のどちらかを設定しましょう:
- Automatorでアプリ形式に書き出し、ログイン項目に追加
- launchdやタスクスケジューラを使ってバックグラウンド実行を設定
ログイン直後に実行したい処理がある方にはとても便利です。
Q5:標準のAppleScriptだけでクリックはできますか?
いいえ、AppleScript単体ではマウスクリックは直接実行できません。
代わりに、do shell scriptを使ってcliclickコマンドを間接的に呼び出す必要があります。
do shell script “/usr/local/bin/cliclick c:500,300”
Automatorやスクリプトエディタと併用すれば、AppleScriptでも座標クリックが可能になります。
このように、Macの座標クリック自動化は、いくつかの手順と工夫で誰でも実現可能です。
トラブルがあっても、設定と実行方法を見直せば、すぐに解決できますよ。
まとめ:Macでの座標指定クリックは「cliclick」で一歩先の自動化へ!
この記事では、Macで特定座標を自動クリックする方法について、初心者の方にもわかりやすく解説しました。
この記事のポイント!
・座標を取得する方法は「⌘+Shift+4」や「cliclickのpコマンド」で簡単に確認可能
・無料ツール「cliclick」を使えば、ターミナルから一発でクリック実行が可能
・AppleScriptやAutomatorでもGUI操作を再現できるが、柔軟性や速度ではcliclickが優秀
特にcliclickは自由度が高く、複数クリックや遅延実行も簡単にスクリプト化できる点が魅力。
AppleScriptやAutomatorも標準で使える便利な方法ですが、クリック位置の精度や実行速度に限界があります。
こんな方におすすめ!
・精密な座標指定で作業を自動化したい方
・マウス操作のスクリプト化を始めたい初心者
・GUIツールでは満足できず、一歩進んだ自動化を目指したい方

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最後までお読みいただきありがとうございます。